きおく

体温上昇。高温期に入った。

フーナーテストで一個も精子は見つからなかったけれど、突破していてくれればいいと、甘い考えもしてしまう。

もちろんとうにあきらめはついている。

次の周期に卵管造影をしなければ。

通院 二日目

相方の検査結果は問題なしだった。

私の血液検査も問題なし。

ただ、フーナーテストでは精子がひとつも見つからなかった。

排卵の形跡はあるけれど、いつ排卵したのかわからない。

粘膜が形成されていなかったようだ……

そういえばまだ体温が高くなってない。


次は黄体ホルモンの検査だそうだ。

道は長い、けれど、今に始まったことでもないか。

何一つ問題がなければ、とっくに子供の二人や三人ボコボコ産んでいるはずだものね。

通院 一日目

相方と二人でクリニックデビューした。

私の内診ではとくに問題なし。

相方の検査結果と、私の血液検査は次回ということになった。

これで、道筋がついたんだな。


待合室にあったノートを見ると、たくさんの書き込み。

どんどん「旅立って」いく人たち、残される人たち。

一人じゃないんだなとしみじみ思った。


それにしても、保険適用してもらってもお金がかかる。


世の中カネだな……

はじまりのきろく

ついに病院デビュー。 怖い。 引き伸ばしてきた結果への道を、これからたどることになる。 逃げればまた不安の日々が続くだけ。逃げなくても不安がやってくるだけ。 こんなことになると思っていなかった。姉たちのように、安穏と暮らしていれば妊娠すると思っていた。 明日、検査はあるだろうか。 何の検査をするんだろう、何の話をするんだろう。 記録をつけていこうと思う。これから。 記憶と記録を。